NYダウやナスダック総合指数がリーマン・ショック後の水準を回復し、高値を更新するなど絶好調な米国市場。新刊『日本人が知らなかった海外投資 米国株』が話題のグローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が、米国投資の魅力を解説する。
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今や日本からでも簡単に米国市場に投資する環境が整っている。米国株式市場は依然、世界最大の時価総額を誇り、上場銘柄数は1万4000以上に上る。日本の株式市場とは比べものにならないほど充実した銘柄群にアクセスできる点が、最大のメリットといえるだろう。
何より米国市場には世界を代表するような銘柄があり、今後も安定的に高い配当利回りが期待できる。
その代表格がコカ・コーラやP&Gといった世界的ブランドを持つ国際優良銘柄だ。その多くはリーマン・ショックをものともせず、業績と株価を伸ばし続けている。
というのも、これら優良企業は決して米国内で儲かっているわけではなく、成長著しい新興国の恩恵を受けている。つまり、世界経済が発展する限り、収益を拡大し続けることができるわけだ。安定的な株価上昇が望めるうえに、毎年増配を繰り返しているため、配当利回りが3%前後の銘柄はザラにある。仮に今後、株価が調整したところで拾うことができれば、配当利回りが4~5%になることも期待できるだろう。
もちろん、より積極的にキャピタルゲイン(値上がり益)を狙うことも可能だ。特に注目は、IT分野における多機能・高性能化の世界的な流れ、いわば「スマートイノベーション」を牽引する銘柄だ。
その覇者に最も近い位置にあるのが、米国IT御三家ともいえるアップル、グーグル、アマゾンの3社である。
なかでもアップルは、同社が開発したスマートフォン、iPhoneの世界的なヒットもあり、この10年で株価は一時60倍にまで達するほどの勢いを見せたが、今後もアップルTVなど革新的な商品を発売予定で、まだまだ上昇が見込める。
グーグルも2011年、創業者のラリー・ペイジがCEO(最高経営責任者)に復帰して「Google+」というSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を始めるなど、第2の創業期ともいえる成長段階に入る可能性が高い。
そして、アマゾンは他の電子商取引企業と異なり、自前で物流網を持っているのが強み。これに電子書籍端末「キンドル」が加わって、圧倒的なプラットフォームの構築に成功すれば、「世界一の小売店」になる可能性は十分にある。
米国市場には、こうした米国企業に加え、世界中からその国の代表的な企業が集まっている。さらには1300種類を超える多種多様なETF(上場投資信託)まで揃い、なかには相場の下落時に儲かる仕組みを持つベア型ETFもある。つまり、米国市場に投資すれば、やり方次第で、いついかなる局面でも儲けることが可能なのだ。
※マネーポスト2012年春号