『徹子の部屋』(テレビ朝日系)や『とくダネ!』(フジテレビ系)など、このところテレビ番組への出演が相次いでいるぎんさんの娘・4姉妹。「疲れていませんか?」と尋ねたところ、いつものあの笑い声で、「全~然」との返事。相変わらず元気そのものだ。テレビ出演や取材の上手な楽しみ方も、やはり母・ぎんさんから学んだものだという。
1992年(平成4年)のお正月から過熱しだしたきんさんぎんさん人気は、日を追うごとにまるで桜前線のように全国へと広がっていった。
当時、ふたりがびっくりしたのは、当時、“霊界の宣伝マン”で名を馳せていた俳優の丹波哲郎さん(享年84)に会ったとき。テレビのワイドショーのスタッフとともに、賑々しくぎんさん宅に参上した丹波さん。挨拶なんてそこそこに、お説教を始めた。
丹波:「いやあ、これはこれは、おふたりおそろいで。うん、いい顔ですなあ、光かがやいていられる。だが、いいですか、あなたがたは、いつお迎えが来ても、決して慌てちゃいけませんぞ」
きんさん(ポカンとした顔で):「こん人が、あの世のことを知ってる人か…?」
ぎんさん(疑わしげな表情で):「そういうことらしい」
丹波:「いいですか、人間が死ねば、まず幽体離脱といってですな、全身から霊を発して、ぽかーんと、そう、ちょうど、この天井あたりに、しばし浮かぶんです。いいですかぁ」
きんさんぎんさん(顔を見合わせて):「うーん…?」
丹波:「さーて、この幽体離脱のあと、天上界にたどり着く旅が始まる。だが、この天上界には、そう簡単に行くことはできない。いろいろ階級があるんだよねぇ、これが…」
きんさん(小声で):「おみゃあさんこの人のいうとること、わきゃるか」
ぎんさん:「わきゃらんな。いや、わきゃったようでわきゃらん」
あの世の話を、口角あわを飛ばす勢いで喋る丹波さん。きんさんぎんさんの意見を聞くこともなく、意気揚々として帰っていった。
そのあと、ぎんさんは、どうにも収まりがつかない。
ぎんさん:「そんな、あの世に行ってまで階級があるなんて。そんなふざけた話、わしにはピンとこん」
そして、いみじくもこんな“ぎん言”を遺した。
<地獄、極楽はな、あの世じゃなくて、この世にあるもんだよ。それはにゃあ、みーんな自分でつくっとる>
百合子さん(四女・91才):「おっかさんのいわしたこの言葉…。私は、いまもにゃあ、自分の心がいじけたときの戒めにしとるよ」
※女性セブン2012年4月12日号