それはいまからおよそ半年ほど前、昨年10月17日夜のできごとだった。
その“天使のような”歌声に、詰めかけた7000人の観客から、ため息にも似た歓声があがる。イギリスでも屈指の伝統と歴史を誇る劇場、ロイヤル・アルバート・ホールのステージに立っていたのは、由紀さおり(63才)だった。
由紀は米国のジャズオーケストラ、ピンク・マルティーニとコラボレートしたアルバム『1969』を同月に発表。このアルバムは世界20か国以上で発売され、米国のiTunesストアのジャズチャートで見事1位を獲得。
カナダ・iTunesでもワールドミュージックチャートで1位に輝いたほか、ギリシャやシンガポールなど、世界各国で大ヒットとなっている。
ロンドン公演に続き、由紀は米国4都市で行われたピンク・マルティーニの6公演にゲスト出演し、いずれも大成功をおさめた。コンサートを聴いた海外のファンのつぶやきが、ツイッター上に続々とアップされる。
<いままでで最高のコンサートだった。何を歌っているのか歌詞の内容はわからなかったけど、彼女の歌声はすばらしかった。優しく、神への祈りのような感じがした>
<最初から最後まですばらしいエンターテインメントだった。サオリ・ユキのパフォーマンスは魅力的だった>
なかにはこんな声も。
<サオリ・ユキが赤いドレスで登場して、みんなに感謝の意を述べているとき、すごくかわいらしかった!>
海外でのヒットは国内にも波及し、12月のオリコン週間チャートでは、由紀にとって40年ぶりとなるトップ10入りを果たした。以来、由紀は現在に至るも、海外と日本を行ったり来たりの多忙な日々を送っている。
※女性セブン2012年4月12日号