骨盤は“体の要”! さらには、骨盤を支える筋肉「骨盤底筋」のゆるみが、女性の体の“困った”を引き起こしている可能性もあるらしい。骨盤を鍛える上で、いま注目されているのが「骨盤底筋」。骨盤底筋を鍛えるだけで、尿もれや生理痛などを改善できるという。
日本排尿機能学会が行った全国大規模調査によると、40代女性の43.9%、つまり、半数近くが尿もれを経験しているという結果が出た。
「女性は尿道が短いため、そもそも尿もれしやすいのですが、尿道口や肛門をキュッと締める筋肉『骨盤底筋』が弱ってゆるんでいるのが大きな原因とされています。そして、この筋肉が弱っている人が、年齢に関係なく年々増えているのが現状です」と話すのは、女性医療クリニックLUNAグループ理事長・関口由紀さん。
「尿もれの場合、恥ずかしくて誰にもいえないため『私だけ?』とひとりで悩むかたが多いようですが、潜在的な患者は多く、うちの来院者数も、2005年から2010年にかけて5倍に増加しているんですよ」(関口さん)
骨盤とは、上半身と下半身を支える骨格の中心にある、まさに体の“要”といえる骨のこと。寛骨・坐骨・恥骨の3種類の骨が組み合わさってできており、上は背骨、下は左右の足とつながっているため、人間の基本動作を支えている。また、内臓や生殖器などを守る役割もある。
姿勢が悪い、脚を組むといった生活習慣や出産などによって、微妙にゆがんだり開いたりしてしまい、不調の原因になることは、よく知られている。では、まだ耳慣れない「骨盤底筋」とは、どこの筋肉をいうのか?
「骨盤の底にあって、骨盤内にある子宮や膣、卵巣、膀胱、腸などの臓器を、ハンモックのように下から支えている筋肉群のことをいいます」(関口さん)
具体的には、肛門括約筋、尿道括約筋、左右の坐骨を結ぶ浅会陰横筋、肛門挙筋などを指す。
「これらの筋肉が、層になって、尿道や膣、肛門を締める役割を果たしています。また、内臓を物理的に支えているだけでなく、脳からの指令を受け、尿や便、月経血などをある程度溜めてから、適切に排泄する機能も担っています」(関口さん)
※女性セブン2012年4月12日号