衝撃逮捕から約4時間前、弟は姉との「18年ぶりの再会」を果たしていた。姉は弟を自宅に招き入れどんな話をしていたのか――。
今秋にも芸能界復帰と囁かれていた酒井法子(41)に、弟・吉原健容疑者(33)の逮捕は大きな影を落とした。
警視庁は3月21日、吉原容疑者を脅迫容疑で現行犯逮捕。酒井の元夫の父が経営するスキーショップ従業員を「姉が逮捕されたのは、元夫の責任」と脅したところを現行犯逮捕されたと報じられている。
本誌は3年前、酒井法子が覚せい剤取締法違反で逮捕された直後、奇しくも同じ逮捕容疑で勾留中だった吉原容疑者の獄中告白を掲載している。そこで、吉原容疑者はこう述べていた。
「不器用な生き方をしてきたので、こうやって逮捕されるのも初めてではありません。ただ、今回は、これまでとは明らかに違う。同じ罪状で姉が捕まっているということへのショックは自分自身、とても大きい」
酒井と最後に会ったのは18年前、吉原容疑者が中学生の頃だ。鹿児島で行なわれたコンサートに母らと出かけた。終了後、楽屋へ向かったが束の間の会話しかできなかった。
アイドルの姉と一時期暴力団に籍を置くなど荒れた青春を送ってきた弟。両親の離婚後、異なる道を歩んだはずの2人は、罪を犯したことにより再び運命は交差した。
獄中の弟は誓った。
「できることなら、姉と一緒に反省をしたい」
だが今年1月、長崎の刑務所から出所した吉原容疑者は2か月後、またも警察の厄介になってしまった。
逮捕からおよそ4時間前に遡る。実は吉原容疑者は酒井の都内マンションを訪れていた。周囲からは「姉の迷惑になるのではないか」との忠告も受けた。獄中から出した姉への手紙の返事もなかったからだ。
――酒井は不在だった。だが、帰ろうとした道で、こんな声を掛けられた。
「……健じゃない?」
そこには姉が立っていた。そして、弟を自宅に招き入れたという。18年ぶりの会話は弾まなかったが、その後、弟は親しい人間に興奮気味にこう語っている。
「姉と会うことができたんです。2人とも大人になってからの再会ですから、ぎこちなかったですけど。この先、時間をかけて昔みたいな関係になりたい」
姉の自宅を辞したその足で向かったのが、現行犯逮捕の現場となる南青山だった。姉の元夫の父親らを通し、吉原容疑者は元夫と接触しようとした。そこで何を訴えたかったのか。三年前、獄中インタビューに答えた吉原容疑者は記者にこんな手紙を送ってきた。
〈男ならば、たとえ自分が傷ついたとしても守らなければならないものって有るんじゃないかと私は思います。(中略)もし姉が覚醒剤に手を染めるきっかけをつくったのが××さん(元夫の実名)であるなら、私は正直許し難いです〉
現在、吉原容疑者は容疑を否認しているが、当局は余罪も含めて捜査中だ。
この先、弟が姉と「昔みたいな関係」に戻ることができるだろうか。
※週刊ポスト2012年4月13日号