収益の一部が、震災で被災した9県と2政令指定都市に分配される「東日本大震災復興支援グリーンジャンボ宝くじ」。史上最高、1等前後賞合わせて5億円をめぐる抽せんが去る3月23日に行われたが、まさに復興の現場である被災地・福島県南相馬市の売り場から1等が出た。被災地に春を呼ぶような明るい話題、さっそく現地に飛んだ。
1等と前後賞が出たのは、福島県南相馬市鹿島区のホームセンター「ダイユーエイト鹿島店」の宝くじ売り場。ここでは、これまでミニロトでは1等が3本出たことはあるものの、ジャンボなどの高額当せんはなかった。県内で19の宝くじ売り場を展開している同社によると、今回のグリーンジャンボは前年と比べ、県全体で約3倍以上の売り上げとのこと。
その中でも鹿島店は、震災の被害で売り場を閉じているところが周囲に多いこともあり、前年の5~6倍の売り上げとなった。現在、この売り場をひとりで切り盛りする塩沼晴美さんは、「ここから当たりが出るといいなとは思っていたけど、まさか本当に出るとは」とびっくりした様子。
「このあたりは津波の避難民のための仮設住宅もあるし、原発の避難民用の仮設住宅もある。地元住民よりも、仮設住宅に住む人のほうが購入者として多いのでは。いずれにしても震災で被害にあった人が1等を買ったと思うので、うれしいですね」(塩沼さん)
1等と前後賞は別々の人が買ったと思われ、5億円全額とはいかなかったようだが、1等3億円、前後賞各1億円が被災者に当たったと考えられる。
※女性セブン2012年4月19日号