動物医療の進歩やペットフードの普及によって、ペットの寿命が伸びている。当然、ペットは高齢化するわけだが、それに伴い、かかる医療費も増えていく。しかし、動物の治療は病院によって治療費が異なるうえ、全額自己負担の自由診療とあっては、充分な治療を受けさせてはあげられないことも多いのだ。
そこでいま注目されているのがペット保険だ。調査会社・富士経済の調査によると、加入件数は、2009年には43万4000件だったのが、2010年は51万5000件、2011年には60万8850件。2100万頭を超える犬・猫が飼育されていることを考えれば、まだわずかではあるが、増加傾向にあることは間違いない。
ペット保険は、毎月定額の保険料を払うことによって、動物病院でかかった医療費のうち、50%、70%などを補償する仕組み。対象となる診療費や補償の割合は保険会社によって異なり、入院、手術給付などが付くタイプもある。動物の場合は病院により治療費が異なるが、それによって補償率は変わらない。
「動物病院が発行する診療費の明細書や領収書を確認し、保険料をお支払いしています」(業界最大手のアニコム損害保険・広報・塩澤みきさん)
さて、気になる保険料はどんなものなのだろうか。犬種によってランクが違うほか、ペットの年齢によって支払う金額は変わってくるという。当然、年齢制限もある。アニコム損保の『どうぶつ健保ふぁみりぃ』の場合、加入できる犬・猫は10才11か月までとなっている。
「ペット保険の必要性を感じるのは病気になりやすいシニアになってからですが、そのときには年齢制限で加入できないことも。また、保険により、先天性疾患が対象外だったり、終身継続できないものもあるので、しっかり確認してから申し込みをしてください」(塩澤さん)
【アニコム損保の例】
●トイプードル(5才の場合)
月々の支払額は、補償率70%の「ふぁみりぃ70%プラン」の場合4150円、補償率50%の「ふぁみりぃ50%プラン」の場合3070円。
●アメリカンショートヘア(3才の場合)
月々の支払額は、補償率70%の「ふぁみりぃ70%プラン」の場合2990円、補償率50%の「ふぁみりぃ50%プラン」の場合2240円。
■犬種によるクラス分類(アニコム損保)
犬は体の大きさ、疾患の罹患率などから犬種別に5クラスに分けられ、それぞれ保険料が異なる。A→Eに向けて保険料は高くなる。
【A】ダックスフンド(カニーンヘン、ミニチュア)、チワワ、日本スピッツ、日本テリア、チベタン・スパニエルなど
【B】トイプードル、ミニチュア・シュナウザー、シェットランド・シープドッグ、柴など
【C】アフガン・ハウンド、ヨークシャー・テリア、グレーハウンド、シーズーなど
【D】ゴールデン・レトリーバー、ダックスフンド(スタンダード)、フレンチ・ブルドッグ、アイリッシュ・セターなど
【E】セント・バーナード、ドーベルマン、ブルドッグ、ブル・テリア、マスティフなど
※女性セブン2012年4月19日号