【書評】『共に在りて 陸前高田・正徳寺、避難所となった我が家の140日』(千葉望/講談社/1470円)
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プロのライターである著者の実弟が僧侶を務める実家の寺が、震災後、避難所に。そこでの様々な出来事を当事者の目線でレポートする。特に宗教関係者の活動も記すが、京都から度々支援に訪れたある僧侶は〈これから一〇年、二〇年という単位で、被災地から力のある僧が出るのではないかと言う。
(中略)法然が生きた鎌倉時代は戦争や疫病が多かった。京の都にはおびただしい死者が打ち捨てられていた〉。長く後世に伝えたい記録。
※週刊ポスト2012年4月13日号