入社式といえば、新入社員たちが慣れないスーツに身を包み、長くて退屈な社長の挨拶を聞く……というのはもう今や昔の話。今年、各地で行なわれた入社式では就職難をくぐり抜けた新入社員たちをユニークな方法で歓迎した例もある。
なんとも独創的な内容で話題となったのは、ネスレ日本の入社式。社長と新入社員代表の女性が新郎新婦を演じ、人事部長と新入社員がバージンロードを歩く、という演出で入社式が挙行された。一体なぜこのような入社式になったのか。ネスレ日本の広報は次のように話す。
「これは会社が考えたものではありません。3月末の新入社員研修で与えた課題の1つです。『イノベーティブ(革新的)』な入社式にするために、51人の新入社員を5つのグループに分けて、案を出させました。新入社員同士で協議の上、今回の形になったのです」
新入社員と会社が結婚するという発想なのだという。指輪の代わりに同社の製品であるチョコレート菓子『キットカット』を交換する場面もあったが、幸せな“結婚生活”が続くことを祈るばかりである。
※週刊ポスト2012年4月20日号