景気の見通しが悪くとも手堅いリターンが期待できるとされるのが不動産投資。もちろん、空室リスクや金利上昇リスクなどは切り離せないが、「地価下落が続いている現在は、不動産投資に大きな妙味がある」というのは、家計の見直し相談センターの藤川太氏だ。以下、藤川氏が不動産投資で高利回りを目指すポイントを解説する。
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自宅購入とは違い、投資対象として不動産を見る場合、物件に資産価値を求める必要性はさほどない。不動産投資をする際に「いい物件」とは、借り手がつく物件にほかならないのだ。
地価下落が前提である以上、キャピタルロス(値下がり損)は避けられないかもしれない。そこで発想の転換が求められる。リフォームなどして空室を減らす努力をし、それを補って余りあるインカムゲイン(利回り益)を目指せばいいのである。
インカムゲインを狙うなら、以下の物件選びのポイントを参考にしてほしい。
【1】購入額と期待できる家賃収入を見比べ、少なくとも15%以上の利回りが望める。
【2】利回りの低い東京や大阪などの大都市より地方の中堅都市。(ただし大学や一企業に頼った「城下町」は撤退リスクもあるので、避けたいところ)
【3】地方は自動車が必須なので、駅からの近さよりも駐車場の有無にこだわる。
【4】空室リスクを避けるなら、大規模マンションより小規模なアパート。
【5】築年数は15年程度が割安でまだまだ使えるので望ましいが、20~30年程度でもリフォームすれば問題なし。(むしろ築浅物件は今後の家賃下落リスクが大きい)
いうまでもなく、不動産投資は元手がかかる。ほとんどの場合、ローンを組むことになるので、基本的に物件価格の2割程度の自己資金は用意する必要がある。そうである以上、極力安く購入するのが鉄則だ。
幸いにも高値掴みをしてしまい、手放したがっているオーナーが少なくないので、値引き交渉の余地は大きい。不動産はよほどの資金がない限り、何件も買えるものではないので、断られることを前提で指値を提示し、納得いく値段で購入すればいい。それこそが相対取引のメリットといえる。
実際、ある地方で780万円で売り出された物件を400万円の指値をして購入できた人もいる。それを200万円かけてリフォームして、年間84万円の家賃収入を得ている。しかも、今物件を売れば800万円は下らないそうだ。
このように、地方には1000万円以下の物件もゴロゴロしている。これなら少額からでも十分投資できる水準ではないだろうか。
※マネーポスト2012年春号