一定の間隔で配置された太い柱の間に小さな店が並ぶ。店内は狭く、テーブルや椅子が路地にまでハミ出すのは当たり前。ここは静寂とは無縁。酒酔い客の声と頭上を走る電車の騒音が響く――。
高架下といえばサラリーマンが集う大衆酒場というのが相場だが、どうやら変わりつつある。
一昨年末、東京・御徒町の高架下にオープンした『2k540 AKI-OKA ARTISAN(ニーケーヨンゴーマル アキオカアルチザン)』は、宝飾品や革製品などの店舗が並ぶショッピングモールだ。
「これまで倉庫や駐車場として使っていた高架下を有効活用し、『人々を集める』『地域活性化』の二本柱を念頭に開発を進めた。御徒町は、伝統工芸職人の街として知られていますので、職人に工房や店舗として使ってもらい、“モノづくりの発信源”となるような場所を目指しています」(JR東日本都市開発)
JR東日本が持つ高架下はのべ2800km。今後も地域活性化を目標とした活用方法を考案していくという。
撮影■ヤナガワゴーッ!
※週刊ポスト2012年4月20日号