どんなところにも空気が読めない人間がいるもので、京都に住むKさん(41才)の夫(49才)はまさにそんな人間だという。しかも、司法書士というお堅い職業だというのだから驚きだ。Kさんが、困った夫のエピソードを紹介する。
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ダンナって職業上、いろんな人のモメゴトや相談にのってるハズなんだけどさ。家族にとってはバカ以下ダンナよ。新しく洗濯機を買い替えるのに、どういうタイプのものにするか話し合ったときのこと。「では、第一回“選択希”望洗濯機は?」と、まずはダジャレをかまし、「今日オレさ、ランチ難民になって大変だったんだぞう」とまったく別の話に変えちゃう。
いや話の腰を折る、なんて序の口よ。のべつ繰り返すくっだらないギャグやダジャレは、私も子供も、姑までも右から左に聞き流してる。話がかみあわないから、疲れるだけだし。
ていうか、うちのダンナがひとこと口をはさんだとたん、たいがいの人は黙るの。この前はマンションの自治会の役員会でそれをやっちゃった。前もって「私が同席してないときは絶対に口を開いちゃダメよ」ときつくきつく、いい聞かせておいたのによ。
議題は地震対策で喧々諤々。その真っ最中に「そういうときは“自信”を持った行動が大事、ですよ~。ヒャハハ」と、わがダンナさまはいったんだと。「あんまり雰囲気が重たかったから笑いをとろうとした」らしいんだけどね。
それで「まったく悪気はない。緊張するとへんなことを口走りドツボにはまる性格」と、司法書士のダンナがいって世間が許すと思う?
「どんなつもりでのご発言かはわかりませんけど…」
古くからの役員さん数人に呼び出され、ねちねちとやられた私とダンナは揃って平謝りに謝ったわよ。そのうえで「お詫び」を書かされてメールで全戸配信されてとんだ赤っ恥だわ。
※女性セブン2012年4月19日号