『ヒカルの碁』の監修も務めた吉原由香里さん
将棋やチェスは、いまやコンピュータがトッププロを撃破しているが、囲碁のソフトが人間の思考を超えるのはまだまだ先のことだという。黒石と白石を交互に打つ簡単なルールでありながら、極めて奥が深い囲碁。そのトップ棋士であり「囲碁界のアイドル」といわれる吉原由香里さんが、囲碁を打つ際に重要なマナーを3つ教えてくれた。
【1】投了
碁の勝負では、途中で挽回が不可能な状態になることがあります。その時は勝負の途中で潔く負けを認め、一礼して「負けました」と相手に告げます。地を数えずに対局の途中で勝敗が決まるので、「中押し勝ち(中押し負け)」といいます。
【2】地の「整地」
終局を迎えると、アゲハマで相手の「地」を埋めることができます。双方が終局を確認した後に、相手の陣地にアゲハマを入れて地を数える作業を「整地」といいます。黒石の人は白の地を、白石の人は黒の地を数えて、相手が何目だったかを告げましょう。
【3】「待った」は厳禁
一度打った石を別の場所に打ち直す「待った」は、絶対にやってはいけない行為です。プロの対局では反則負けになります。友人同士の対局でも、喧嘩のもとになりますよ(笑い)。
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2012年4月20日号