厚労省によれば、今年1月時点で、全国の生活保護受給者は、戦後の1951年度の204万6646人を抜き、209万1902人と過去最高を記録。それにともない、生活保護費の不正受給や、働けるのに働かないで生活保護の甘い汁を吸い続ける若者が急増するといった問題も起きている。
そんななか、“ある女性”の生活保護が、一部で大きな波紋を呼んでいる。その女性が住んでいるのは、関西地方のとある県。最寄りの駅から車で20分ほど走った住宅街にある小さな平屋の借家で、表札も出さず、ひっそりとひとりで暮らしている。
「10年以上前は、近所に勤めに出ていたんですが、体調を崩してからは仕事も辞めてしまったみたいです。最近では大きな病気を患って、家から出ることはほとんどないようですね。近くには親族のかたが住んでいて、助け合いながら暮らしているみたいですよ」(近所の住民)
そんな彼女の唯一の楽しみが、最愛の息子が出演するテレビ番組を見ることなのだという。彼女の息子は、テレビで見ない日はないほどの超人気お笑いコンビのA。彼の母親のプライバシーを守るため、あえて名前は伏せるが、誰もが知っている売れっ子芸人だ。にもかかわらず、近所ではこんな噂が流れていた。
「Aさんのお母さんは生活保護を受けているそうです。でも、息子さんはあれだけ有名なかたで、お金も相当稼いでいるはず。なのに“どうして?”という声は少なくありません」(前出・近所の住民)
結論からいうと、Aの母親が生活保護を受けているのは事実だった。息子であるAとはいまも交流はあり、確かにその母親が生活保護を受けていることには、近所の人でなくとも違和感を覚える。
生活保護受給者の相談に乗ったり、援助したりするケースワーカーを10年以上務め、著書に『野たれ死にするくらいならどんどん生活保護』を持つ多村寿理さんの説明によれば、生活保護を受給するには【1】資産の有無、【2】親族で助けてくれる人がいるかどうか、【3】収入額、【4】本当に働けないのか、という4つの代表的な基準があるという。
芸人Aの母親の場合、【2】の条件が気になる。レギュラー、準レギュラー合わせて約10本の番組に出演するAのクラスの芸人であれば、その年収は5000万円ともいわれており、“助けてくれる親族”にもなりそうな気もするのだが…。
※女性セブン2012年4月26日号