政治資金規正法違反で強制起訴された小沢一郎・元民主党党首に対する一審判決が4月26日に東京地裁で下される。判決を前に自民党内では早期解散論が急速にしぼみ、次期総裁候補と見られている石原伸晃・幹事長、石破茂・前政調会長らが声を揃えて「小沢氏を切れば増税法案に賛成する芽がある」と、野田首相に判決前の小沢切りを迫っている。小沢氏の復権を何より怖れているからだ。
自民党の三役経験者はこう心配する。
「うちは子ども手当や最低保障年金、高速無料化といった民主党の甘言で選挙に負けた。その公約をひとつずつ撤回させて票を減らす地道な作戦を取ってきたが、それでも、自民党の支持はいっこうに回復していない。
選挙は最後は資金力がものをいう。野党暮らし3年目のこっちはカネがないから選挙準備が満足にできないが、民主党は腐っても与党だ。金庫には200億円もうなっている。カネの使い方を知っている小沢が座敷牢から出て党の資金を握り、選挙になればひとたまりもない」
※週刊ポスト2012年4月20日号