夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(47歳)が食品メーカー勤務の奥様(46歳)。遺言は「私、浮気してました」です。
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新婚当時、主人と温泉に行った時のこと。私が宿を出てお土産を買いに出かけたら、30分も経っていないのに主人が汗まみれで駆けつけてきて、「帰りが遅いから心配で捜したよ。悪い男に絡まれてたら大変だと思ってさ」。
そんな主人だったのに、私が40歳を過ぎてちょっぴり太り出してからは、「温泉に行きたい? 友達でも誘って行ってきたら?」ですもん。一緒に買い物に出かける時も、私はきちんとお化粧してるのに、「たまに外出する時ぐらい、化粧したほうがいいぞ!」って、してるわよ、バッチリと!
もう、まったく無関心なんですよね。この前だって「スカイツリー見に行きたいわ」というと、「ついでに両国もまわってこいよ」「どうして?」「国技館だよ。取組があるんだろ?」って、私は関取か!
癪だから「私、浮気してました」と遺言状を書いて、安心しきってる主人を慌てさせたいんです。実は既に書いていて、「私の遺言状よ。興味があれば見てもいいからね」と、リビングのテーブルの上に置いてあるんですけど、見た形跡はゼロ。悔しいから本当に浮気しちゃおうかしら!
でも、そんな時間があったら、ソファに寝ころがって、韓流ドラマを見てたほうがいいもんなぁ。トホホ。
※週刊ポスト2012年4月20日号