サングラスをかけ、女優帽を目深にかぶった女性が、「キッチン」と書かれた看板を見て、なぜか、いきなり大声をあげて笑い転げた。
「キッチンだって? キッチンだよ! ギャハハハハ」
彼女を乗せたタクシーの運転手には何がおもしろいのかまったくわからず、首を傾げるばかりだった――
4月6日発売の『フライデー』で、神奈川・小田原で奇妙な徘徊生活をしていると報じられた藤谷美和子(49才)。元祖“プッツン女優”といわれた彼女は1976年、12才のときにお菓子のCMで芸能界デビュー。以降、女優として多くのドラマや映画に出演し、1994年にはデュエット曲『愛が生まれた日』がミリオンセラーとなり、紅白歌合戦にも出場した。
だが、一方では奇行が目立ち、ドラマや映画の途中降板やドタキャンを繰り返した。2003年にはこんな仰天の事件まで引き起こしている。「紀宮さまは私の妹」といい張って皇居にはいろうとし、警官に取り囲まれる騒動を起こしたのだ。以降、当然のように仕事は減っていった。
また、プライベートでも世間を騒がせた。2005年には脚本家の岡村俊一氏(50才)と結婚したが、
「結婚しないと離婚できないし、慰謝料ももらえないでしょ?」
とコメントして周囲の度肝を抜いたのだった。
結婚生活もやっぱり“独特”で、4年後には本誌が、都内のひと駅離れた場所で別々に暮らし、会うのは年に2回だけの“ひと駅別居”を報じた。このころには、彼女は完全に表舞台から姿を消していた。
それからさらに3年、別居の距離は遠くなり、藤谷は現在、小田原で暮らしている。小田原駅から少し離れたところにあるホテルが、彼女のいまの住まいのようだ。そこからほぼ毎日、冒頭のような姿で、キャリーバッグをガラガラ引きながら、彼女は市内を“徘徊”しているという。その姿は、かなり目立つようで、住民の間でも噂になっていた。
「道端で見ると、すごいスピードで歩いているんですが、急に座り込んだりもするんです。また、デパートの自然食品店でカレールーをよく買ったり、駅前のベンチに座り、パンを食べたりしています」(地元住民)
そんな彼女が最もよく出没するのが、とある空き地。一角には、ベランダにあるような柵で囲われたスペースがあり、なかには酒店が使うキャリーケースが置かれている。
「藤谷さんがかわいがっている野良猫がいるんです。3年ほど前に飼い主が亡くなってしまい、それから藤谷さんが面倒を見るようになりました。水やエサやりのほか、寒さ対策なのか、アルミで覆われた小屋を手作りするなどしています。1週間に5日くらい見ますね」(前出・地元住民)
※女性セブン2012年4月26日号