テレビ局やお笑い関係者の間で最近、あるブレークの法則がささやかれている。それはお笑いコンテストで優勝した芸人よりも準優勝の芸人がブレークする、というもの。
「ここ最近では必ずそうなっています。放送作家やテレビ局のバラエティー番組のプロデューサーやディレクターも、優勝した芸人よりも、むしろ準優勝など優勝できなかった芸人をかなり注目して見ていますよ」(ある放送作家)
最近の準優勝芸人を見てみると、それは明らか。3月のR-1ぐらんぷりのスギちゃん(優勝はCOWCOW多田)は「ワイルドだろぉ?」のネタで、テレビ番組やCM、イベントに引っ張りだこ。昨年末のTHE MANZAI2011のHiHi(優勝はパンクブーブー)は「パスタ、巻いてる?」がちょっとした流行語に。
昨年末のキングオブコント2011の2700(優勝はロバート)は独特のリズムネタで人気を呼んでいる。一昨年のM-1グランプリ2010のスリムクラブ(優勝は笑い飯)は昨年、今年とバラエティー番組を中心に活躍を続けている。
いずれのケースでも、優勝芸人が優勝以前と比べて目立って活躍の場が増えていないのに対し、準優勝芸人はこれを機にブレークし、幅広い分野で活躍しているのだ。実際、笑い飯はM-1優勝後について「例年通り」と仕事はとくに増えなかったと語っている。最近の優勝芸人の多くがすでに実績のある芸人である、という背景もあるが、それにしても優勝したことによって再注目を集めてもいいものだが…。
「スギちゃん、2700など準優勝の芸人は、優勝できなかったとはいえ、視聴者からの支持が高く、“優勝してもおかしくなかった”という声も上がるほど笑いをとってましたからね。優勝した芸人は“王道ネタ”をする傾向が強くて、それが審査員から支持を集めた要因でもあるわけですが、準優勝の芸人のネタは意外性があってちょっと変わった芸風の芸人が多いんです。そのへんがいまウケている理由ではないでしょうか」(テレビ局関係者)
優勝できなくても、準優勝のほうがおいしかったりして!?