システムトレードのツールとして世界的に普及しているMT4(メタトレーダー4)に最も精通するFX会社である英アルパリ社。その日本法人である『アルパリジャパン』が、ついに国内で営業スタートした。同社は、ロンドン、NY、上海、モスクワなど、世界20か国以上に50以上の拠点を持つ、オンラインFX取引サービス会社『アルパリグループ』の一員だ。日本参入でどんなサービスを提供しようとしているのか、英アルパリのチーフ・コマーシャル・オフィサー、ダニエル・スコフロンとグローバル・ヘッド・オブ・セールス部門でイギリス、アメリカ、ドイツ、日本、UAE、インド、及び他の新興経済国を統括するムッシュ・ トッマシャン氏に聞いた。
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─―昨年10月から日本でのサービスをスタートしたが、この時期に日本市場に参入した理由は?
ダニエル・スコフロンスキ(以下、スコフロンスキ):世界最大のFX(外国為替証拠金取引)マーケットである日本は、以前から、本格的な参入の時期を伺っていました。日本のマーケットは、他のマーケットと比較してMT4の普及がやや遅れていたが、ここ1~2年で普及が進み始め、昨年が絶好のタイミングだと考えたのです。
─―日本では、個人トレーダー向けに加えて、機関投資家やFX会社へのプラットフォーム提供およびシステム構築サービスを提供するそうだが。
スコフロンスキ:日本のFX会社でもMT4を導入するところが増えています。しかし、我々が見るところ、必ずしもMT4やMT4をプラットフォームとしたシステムトレードが、導入した会社にとって最適化されているとは言い難い。中には、導入すること自体に少々無理があるネットワーク環境であるケースも見受けられます。
ムッシュ・ トッマシャン(以下、トッマシャン):システムが最適化されていないことは大きな問題です。システムの安定性が損なわれ、注文や執行、そして約定といったFXトレードの基本的なサービスに影響が出ることがあるからです。
─―MT4をプラットフォームに採用しているといっても、機能や性能といった中身には差があるということか?
スコフロンスキ:最適化されていないMT4をクルマに例えるならば、ボディがF1仕様車でエンジンが一般車仕様のクルマに近いのでは。どんなに上手に運転してもF1クラスの走りは不可能でしょう。アルパリのMT4は、エンジンもF1クラスのクルマですよ(笑)。
─―ということは、アルパリのMT4を使うと、個人トレーダーであっても、FX会社が使用するシストレよりも基本性能が高いシストレが利用できるということだろうか?
トッマシャン:そう言えると思います。我々は、全世界に150名を超えるMT4システムエンジニアを擁し、日々、システムの構築と改良に全力で取り組んでいます。ここがユーザーの要求に対応するだけの他社との決定的な違いです。アルパリジャパンでは、日本のFX市場やネットワーク環境に合わせたシステムの改良を通じて、個人ユーザーの方々につねに最先端のシストレを提供できると考えています。
─―口座の種類も豊富で内容も多彩だ。
スコフロンスキ:ビギナーから上級者までニーズに合った口座を用意しました。ビギナー向けの「スタンダード口座」は1000通貨から取引ができます。10万通貨単位から取引可能な「プロ口座」は、ディーリング・デスクを通さずに直接インターバンク市場につながるため、より有利なスプレッドで取引できるのです。
トッマシャン:アルパリジャパンは、親会社である英アルパリを介して、14以上の大手金融機関からレートの提供を受けており、ベストビッドとベストアスクを提供できます。ぜひ、他社とスプレッドを比較してみてください。
─―法人口座もあるそうだが。
スコフロンスキ:法人用にもスタンダード口座とプロ口座があります。法人用スタンダード口座は最大500倍までのレバレッジが利用できます。
─―新しいサービスも次々に導入しているとか。
トッマシャン:スタンダード口座のスプレッドを2月末から縮小しました。また、プロ口座の初回入金額を200万円から100万円へ引き下げたり、今まで想定元本の0.003%(片道)を頂いていた手数料を無料にしたりと、サービスを使いやすく改訂しました。加えて、『トレーディングセントラル』を導入しました。FX、株、指数、債券などの市場情報にアクセスでき、その内容を瞬時に分析して値動きの予想をリアルタイムで提供できます。ご期待ください。
※マネーポスト2012年春号