3.11東日本大震災の被災地、宮城・石巻市は、コラムニストの木村和久さんが高校卒業までを過ごした地。木村さんが、縁ある人々の安否を自身の足でたずねながら、震災直後から現在の状況までをレポートしています。今回は「復幸祭」についてです。
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女川町へ行くと、瓦礫が伊勢地区というところに集中的に置かれ、道の両脇が瓦礫の山で、見事な渓谷を作ってます。女川の大変なのは土地が狭くて、元の住宅地や水産加工場の上に瓦礫の仮置き場を作らざるをえないのです。そうなると、瓦礫の処理をしない限り、復興計画なんて夢の夢。女川町だけでやっていたら100年、都市計画が進まないのです。
女川町は、東京都などが名乗りをあげて、瓦礫処理してくれる運びとなり、ほんと助かってます。地元だけで処理をして、瓦礫を全国にバラまくなという意見もありますが、この莫大な量は、地方自治体の処理能力をはるかに超えているのです。一刻も早く、住宅地の瓦礫だけは取り除いてもらわないといけません。
帰り道、ちょうど女川町の復興を祈願してのイベント「復幸祭」を町の運動場でやってたので見に行きます。屋台からは煙がもうもう。さんま2000匹を焼いて無料で配っているんですから太っ腹ですね。ほか、さんまのすり身汁もいただきました。
※女性セブン2012年4月26日号