【書評】『昭 田中角栄と生きた女』(佐藤あつ子/講談社/1680円)
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〈私の家には鼻の下にチョビ髭を生やしたスーツ姿の「おじちゃん」がよく遊びに来ていた。(中略)その「おじちゃん」が、ある日、「お父さん」になった〉。
「今太閤」田中角栄と、彼を陰で支え「越山会の女王」と呼ばれた女・佐藤昭。その間に生まれた娘が、母の死を機に父と母、そして自身の過去について赤裸々に綴った。父母の出会いから、自分が生まれた後に続く“家族関係”など、父母の熱い生き様がみてとれる。立花隆との対談も収録。
※週刊ポスト2012年4月27日号