北朝鮮で長年にわたり金正日の専属料理人を務めた藤本健二氏。その藤本氏が金正日の「食卓事情」について語った。
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私は1989年から2001年まで将軍に専属料理人として仕えました。食通の将軍でしたが、日本の寿司をお出ししたのは私が初めてです。
食材を集めるため、年2回は築地に行きました。マグロ1匹を丸ごと買ったことも2度ほど。ウニなんかは1枚1万以上するのを10とか20の単位で買います。
朝鮮ではウナギはもともと食べていましたが、初めて関東風で調理したとき、将軍は「フジモト、Vだ!」と大喜びした。将軍は喜ぶとVサインを作るんです(笑い)。金ファミリー中に広まって、正恩大将がスイス留学から帰ってきた際には週3回はウナギを振る舞いました。あの方も食べるのが大好きでしたから。
※週刊ポスト2012年5月4・11日号