創価学会800万票を擁する公明党にとって、次期総選挙での「与党復帰」は至上命題である。学会本部関係者は語る。
「公明党は国会で郵政改革法案を民主・自民両党に先駆けて作るなど、政界の第三極を確保しようと動いている。公明党が大阪維新の会に接触し、『大阪・兵庫で公明党候補のいる選挙区では維新の会は出馬しない』との選挙協力を取り付けたのは、政界のキャスティングボートの奪い合いになる危機感から早めに手を打ったということ」
だが、この大阪維新の会には、政治進出を狙い「幸福実現党」を立ち上げたものの、国政選挙では敗北続きの幸福の科学からも「接近」の情報がある。
幸福の科学グループが運営する「ザ・リバティweb」に今年2月、「大阪維新の会の公約は、なぜ幸福実現党に似る?」とのコラムが掲載された。「大阪維新の会が今後、どれだけ幸福実現党の政策を取り入れるかが注目だ。もしパクッているならば、幸福実現党にひと言あってしかるべきだろう」とあり、独特の言い回しながら、むしろ維新の会への確かなシンパシーを伝えているものと読める。
さらに大阪では、維新の会の市議のなかに幸福の科学の関係者がいる、との情報がなかば公然の事実とされている。
「2010年7月の参院選で幸福実現党候補者の選挙運動を手伝っていた人物や、幸福の科学の関連施設に頻繁に出入りしていた人物がいるとの情報がある」(大阪府警・公安関係者)
名指しされた市議らを直撃すると、「親類が一時、幸福実現党と関係があり、選挙活動を手伝っただけ」「選挙活動のなかで他の宗教団体を回るのと同様に幸福の科学施設に行ったことがあるだけ」「全く関係ない」とそれぞれ答えた。
幸福の科学グループは、こうした情報や大阪維新の会との関係についてこう答える。
「当グループには政治家や政治家を志す方も大勢おり、数人の信者がいることをもって当グループが大阪維新の会に組織的に働きかけしているかのような情報がネット等で出ていますが、事実ではありません。大阪維新の会とは政策的に近いところもありますが、維新の会の目指す道州制や脱原発依存には反対であり、個々の保守系政治家との連携はあっても組織的に連携することは考えておりません。
幸福実現党は2009年から“幸福維新”を唱えて国政に挑戦しており、幸福実現党が大阪維新の会を“利用している”のではなく、幸福実現党が後発の大阪維新の会に“利用されている”のが事実です」
※週刊ポスト2012年5月4・11日号