ラーメンファンの間では知らない人はいない、東京・護国寺に本店を構える『柳麺ちゃぶ屋』。店のオーナーである森住康二氏(45才)は、2002年に『TVチャンピオン新行列店ラーメン職人選手権』(テレビ東京)で優勝。“ラーメン界のイチロー”とも呼ばれ、2010年末には香港に出店した系列店『MIST』がラーメン店では初めて『ミシュランガイド』で一ツ星を獲得した。
しかし現在、護国寺の本店に行くと、店は閉められ、表のトビラには、東京地方裁判所執行官により同店が差し押さえられたことを示す公示書が貼られていた。
「現状は、ただ逃げ回っているだけ。男らしくないですよ!」
そう憤るのは、2000年から『ちゃぶ屋』に製麺機を販売しているメーカーの担当者だ。問題が起きたのは、『MIST』に製麺機を納入してからだという。
「『MIST』には森住さん以外にも別に香港のオーナーさんがいるんです。売り上げは、その香港のオーナーさんから森住さんのところへはいっていき、われわれは森住さんから代金をもらう契約となっていました。でも、彼は“香港のオーナーからお金がはいってこない”というばかりで、全然代金を支払ってくれなかったんです」(メーカー担当者)
待てど暮らせど、代金は支払われなかった。堪忍袋の緒が切れたメーカー側が森住氏に詰め寄ると、彼はこう明かし始めたという。
「“香港からはお金をもらっていたんですが、その金を他の支払いに回してしまって払えなくなったんです…”とようやく告白したんです。おそらく店の運転資金なんでしょう。香港や韓国などにも手を広げていましたから…」(前出・メーカー担当者)
『ちゃぶ屋』の内情を知り、メーカー側も弁護士を立てて返済について話し合いを重ね、今年3月、借金の担保に『ちゃぶ屋』の全ての株を譲り受けた。しかし、4月11日に森住氏は自己破産してしまう。
「いまでは、その株に価値なんて全然ありません。その後、うちの会社以外にも店舗の家賃や、小麦粉などの食材の未払いなどもわかりました。いまでは彼と連絡もとれません」(前出・メーカー担当者)
この件に対し、森住氏は「債務を返済するために新たに融資を受けるつもりだったんですが、株主が変わったことで断られてしまったんです。そのため事業再生を図るために自己破産させていただきました。もう一度、ラーメンで立て直して、何とか債権者に恩返しをしたい」と説明している。
※女性セブン2012年5月10・17日号