2005年11月に都庁職員・黒田慶樹さん(47才)と結婚した黒田清子さん(43才)が皇籍を離れてから6年半、いまではすっかり主婦の顔になられている。そんななか女性宮家創設論議に伴って浮上してきた皇族復帰への声。多くの人々の清子さんへの待望論が高まっている。
もし清子さんが皇族に戻られた場合に、問題となってくるのが夫・黒田さんの処遇であろう。この点について、歴史学者(日本中世史)で帝京大特任教授の今谷明氏(69才)が、まず独身女性皇族についての見解をこう指摘する。
「内親王が宮家を設けて結婚されれば、入夫の男性は、現時点では一代限りの准皇族という待遇がいいと思います。生まれてくる子供への皇位継承権については、後からゆっくり議論すればいいんです」
そして、これに倣い、黒田さんも同じ准皇族とするというのが今谷氏の見解だ。
「黒田さんも准皇族として、仕事(都庁勤務)も、そのまま続ければいいのではないでしょうか。歴史を遡れば、平安時代には准関白とか、准摂政とか、その運用はかなり柔軟にやっていたのですから」(今谷氏)
また今谷氏は、そもそも清子さんの女性宮家創設という構想自体が「紀宮さま時代の清子さんの活躍があってこそ」だという。清子さんの皇族復帰の意義について、「将来の皇室のためにも重要な役割を占める」と語気を強めて話す。
「清子さんは、現在の若い女性皇族の中で誰よりも皇室のことをご存じだからです。なぜなら、清子さんは陛下が皇太子時代から、そして天皇になられてからも、公務への考え方やその行動、言動などを間近でご覧になってきました。
また幼いころから母である皇后さまを尊敬され、お手本とされてきました。とりわけ、弱者に寄り添われる両陛下の姿を、いちばん身近で見てこられ、ご自身の肌で感じてこられているからです」
皇室ジャーナリストの山下晋司氏もこういう。
「皇族として生まれ育ち、結婚されてからも皇族としての心構えをしっかり持たれている清子さんは“国の宝”だと思います。ごく自然に弱者に寄り添う姿勢や、その心構えを身につけることは、清子さんを含め、皇室の中で育ってこられたかた以外では、なかなか難しいのではないでしょうか」
※女性セブン2012年5月10・17日号