国内

地震の備え 木造住宅は非常持出品、マンションは備蓄品が重要

 阪神・淡路大震災が起きた1995年1月。当時の神戸の人たちの多くが、地震について特別な対策をしていなかったという。自身もそんなひとりだった『震度7が残した108の教訓』著者の荒尾和彦氏は、東日本大震災の被災地を訪れた。阪神・淡路を含め、その後の大地震の教訓からか、多くの人が地震に対し何らかの備えを行っていた。

 そして、いざ大地震を経験して初めてわかった本当に必要だったものと足りなかったもの。現地の声を聞き、荒尾氏は改めて、いますぐ準備すべき「非常持出品」と「備蓄品」を挙げてくれた。

 * * *
 近く発生の危機が叫ばれている首都直下型地震の被害想定が改められた。震度6強から7へと変わったことで、死者はおよそ9700人、負傷者は14万7600人にものぼるという。それだけではない。大津波を太平洋側に発生させる南海トラフ地震の危険も指摘されている。私たちを再び、揺れが、津波が、襲うのだ。

 何万人もの犠牲に報いるために、私はもう一度、大地震の備えについて考えた。被災後の生活を左右するのは被災直後に持ち出す「非常持出品」と、家庭に備えておく「備蓄品」だ。

 簡潔にいえば、「非常持出品=被災直後に必要なもの」、「備蓄品=ライフラインが復旧するまでに必要となるもの」となる。

 しかし、あなたが生活する環境によっても、両者の備えは大きく変わってくる。ポイントは「被災後も自宅が使えるかどうか」だ。これは東日本大震災のケースを考えるとわかりやすい。東北の人は意外にも、大地震に備え、多くの人が自宅に飲料水や食料などを「備蓄品」として備えていた。しかし、それらは虚しくも津波によって流されてしまった。

 つまり、津波の危険性が高い沿岸部に暮らす人は「備蓄品」よりも「非常持出品」に重きを置かなければならない。長期の避難所生活を送ることを考え、食料や水も多めに用意しておくべきだろう。また東京都の防災会議で、首都直下型地震では木造住宅の密集地を中心に19万棟近くの家屋が焼失すると想定している。火災の心配があるなら、備蓄品より非常持出品を重視する。

 反対に、耐震性の高い鉄筋コンクリート造のマンションなどに暮らす人の場合は、「備蓄品」を充実させよう。避難所での物資の配給は、住む場所を失った避難所の人々に優先的に分配されてしまう。

 下の表で自分がどちらを重視する必要があるのか、チェックしよう。

【一戸建て】
沿岸部→非常持出品:◎ 備蓄品:△
内陸部→常持出品:◎ 備蓄品:◎

【マンション】
沿岸部・高層階→非常持出品:○ 備蓄品:◎
沿岸部・低層階→常持出品:◎ 備蓄品:△

内陸部・高層階→非常持出品:△ 備蓄品:◎
内陸部・低層階→非常持出品:△ 備蓄品:○

(◎=最重要、○=重要、△=最低限でも可)

 震災後、自宅が使えるかどうかがポイント。火災や津波の危険が高い場所は非常持出品を重視しよう。△と書かれていても最低限の用意は必要。

※女性セブン2012年5月10・17日号

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン