法廷で何を聞かれてもぶれることなく、淀みない受け応えに終始した木嶋佳苗被告(37才)。死刑判決が下された後も、「なんでそんな風にしていられるの?」と、彼女の振る舞いは依然、関心の的であり続けている。100日に及んだ全36回の裁判の全てを傍聴し続けたコラムニスト・北原みのりさんが、木嶋被告の姿に見たものとは――
裁判中、検察の主張が長時間に及ぶと、指3本をタラッタラッタラッと書類ファイルの上でタップ。その仕草は、得意のピアノを弾いているように見える。極めつきは、“美脚体操”だ。ミュールを履いて法廷に立った2月7日、第17回公判でのこと。
「机の下でつま先を立て、足を床から数cm浮かして、足首をひねってるんです。え、まさか美脚づくり?って」(北原さん)
他にも検察から嫌な質問をされているときは、口内エクササイズに励んだりする。
「聞く価値ないという感じで、舌を動かして頬の内側をモゴモゴさせてる。タレントのローラみたいに。あれ、口内エクササイズをしていたとしか思えません」(北原さん)
検察に敵意を燃やす一方、弁護士とはリラックスして接していた。木嶋被告は、好意を寄せている男性に対しては、とことんわかりやすい態度を見せる。
「にっこりと微笑むと佳苗はかわいらしくて、弁護人たちは“チーム佳苗”といった和気あいあいとした雰囲気でした。手記では、『弁護士の“素敵な低音ヴォイス”に慰めを感じた』とベタ褒めしてました。佳苗は声のこと“ヴォイス”っていうんだなぁ、と笑ってしまいましたが」(北原さん)
そして周知の通り、木嶋被告はセックスについてとりわけ雄弁だった。中学校から援助交際の噂が出るほど性的に早熟だった木嶋被告は、18才で上京後、デートクラブや出会い系サイトで知り合った男と次々に関係を持った。
判決後に公表した手記でもこう述べている。
<私の場合、8歳で初潮を迎え、体のフィジカルな成長は10歳でピークとなり、メンタルな面も含め早熟でした>
<私の個人的な生活において、食と性が一番のプライオリティーを持つものでした。私を理解していただく為には、性についての話題は必然的なものです>
無罪を勝ち取りにいくよりも、「特別な私という存在」を見せることに全力を尽くす。それが木嶋佳苗という女の流儀なのだろうか。
※女性セブン2012年5月10・17日号