海外メディアが首相以外の日本の政治家の詳しい言動や、具体的な“人となり”に注目することは稀だ。まして地方自治体の首長レベルとなると、ほとんど取り上げられることはない。
しかし橋下徹・大阪市長については、昨秋の大阪ダブル選挙での圧勝以降、日本の社会現象の一つとして詳報している事例がある。世界がどう報じているか、北朝鮮の場合を紹介しよう。
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北朝鮮は、橋下氏には批判的だ。もともと2010年3月、府知事だった橋下氏が朝鮮学校を視察し、「授業料無償化の対象になるためには金日成親子の肖像画を撤去することが条件」などと発言したことに対し、朝鮮中央通信は「橋下は政治詐欺師であり、天下の卑劣漢」と酷評した。
昨年6月には、朝鮮労働党機関紙である労働新聞が、大阪府の「君が代起立条例」を批判する論評を掲載した。
「最近、日本の大阪府が地域内の教職員が『君が代』を奏楽する際、起立することを義務づける条例を公布した。これは尋常ではない動きであり、日本の反動どもの軍国主義を鼓舞するための暴挙以外の何物でもない。……教職員を通して、純真な学生の頭の中に軍国主義の歴史観、復讐心を植え付けようとするものだ」(11年6月29日付)
ちなみに、こうした批判に対し橋下氏は「一介の自治体の長が北朝鮮という国から批判の対象になり、光栄だ」と皮肉を込めて反論している。
※SAPIO2012年5月9・16日号