ハリウッドでも活躍し、世界的な俳優としての地位を確立しつつある渡辺謙(52才)だが、彼の人生は波瀾に満ちたものだった。生死をさまよった白血病闘病、前妻・A子さんの借金トラブルに離婚調停。家族はさまざまな問題のなかで苦しみ続けたが、そのなかで息子で俳優の渡辺大(27才)は父に強く反発し、親子の縁を絶つまでになった。
2001年末、約2億円ともいわれる豪邸が税金滞納で差し押さえられていたこと、A子さんが多くの知人らに多額の借金をしていたことが発覚する。2002年3月には夫婦の別居が明らかに。そして、同年夏、謙は離婚訴訟を起こした。裁判では、以下のような驚くべき事実が明らかになっていく。
●A子さんが、知人など約50人から計2億円もの借金をしている。
●A子さんは、その同時期に2億5000万円を宗教団体・釈尊会に振り込んだ。
さらには、A子さんが証言台に立ち、過激な発言をしたことも話題を呼んだ。その内容は、A子さんの多額の借金は、謙の女性問題をもみ消すためだったというもの。さらにその女性問題に関して、「車やバッグの中に隠し持っている避妊具などを見ました」などという発言とともに女優9人の実名を挙げたのだった。
こうして、渡辺家は完全に崩壊していった。だが、この夫婦の愛憎劇のいちばんの被害者は、大と杏(26才)、ふたりの子供だったに違いない。
泥沼の離婚裁判が続くなか、当時、大学生だった大が『週刊文春』に、謙に宛てた手記を掲載したのは2003年12月のことだった。
父に対して、息子としての願いを伝えたうえで、できるだけの誠意を見せて、苦しむ母を助けてほしいと綴ったのだった。
さらには、毎月、大の口座に振り込まれる約束だった生活費についても暴露した。
<十万円しか振り込まれない月もあれば、まとめて一気に振り込まれる月もありました。(中略)振り込みが遅れると僕らはかなり厳しい生活を強いられました>
離婚裁判中に、当事者の子供が一家の内幕を暴露するのは異例中の異例のことだ。しかも、このときの大は、俳優としての活動を始めたばかり。この手記が出ることを知った謙は、息子にこんな言葉を投げかけたという。
「謙さんは、“そんなことをすると、親子の関係が終わりになってしまう”というようなことをいって引き止めたそうですが、それでも大さんはいうことを聞かなかったそうです」(芸能関係者)
これを機に、父子は断絶状態となってしまう。ただ、大本人に話を聞いてみると、“断絶”の原因となった告発記事に対しては、いまは反省しているという。そして、2005年12月、謙が南果歩(48才)と再婚したことがきっかけに、父子は“和解”へと進み始め、いまでは良好な関係が続いているという。
※女性セブン2012年5月10・17日号