大震災の直後に生き延びるための非常持出袋には何を準備したらいいのか。1995年1月の阪神・淡路大震災を経験し、東日本大震災の被災地を訪れた『震度7が残した108の教訓』著者の荒尾和彦氏がレポートする。
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防災を考える上で、もはや当たり前となっている非常持出袋。まず大事なのは、その置き場所だ。
基本的には玄関が最適。わが家でも玄関先に妻と2人分の非常持出袋を用意してある。地震が発生したとき、必ずしも寝室にいるわけではないし、リビングにいるわけではない。必ず通ることになる玄関ならば、無駄なく手にできる。
ただし、津波や浸水の可能性がある場所では、2階の窓際にも1つ予備を用意しておいたほうが良い。1階の玄関に非常持出袋を用意していたが、浸水してしまい使いものにならなかったという被災者が多かったからだ。
次に考えるのは、非常持出袋を何にするか。両手を使えるようにリュックサックにするのは当たり前だが、色にもこだわりたい。
停電し、夜になれば真っ暗になってしまう被災地では、黄色や赤などの明るめの色や蛍光色が理想的だろう。
そして、最も大事なのは、当然中身。私が準備している非常持出品がこれだ。ちなみに私は、耐震性の高いマンションに住んでいるため、最低限の準備だ。
●ミネラルウオーター1リットル
●ウエットティッシュ
●携帯レインコート
●軍手
●マスク
●歯ブラシ 液体歯磨き
●トイレットペーパー
●懐中電灯
●各種乾電池
●連絡先のメモ
●携帯カイロ
●石けん
●救急絆創膏、消毒薬、包帯、各種薬
●紙皿、紙コップ、割り箸
●ポケットティッシュ
●レジ袋
●生理用品
●チョコレート、キャラメル、飴などの食品
●ケース入りの眼鏡
非常持出品が必要となるのは、救援物資がやって来るまでの2日間の準備が基本。考え方としては、「小旅行に行くときの準備」と考えて用意するといいだろう。
※女性セブン2012年5月10・17日号