「ハシズム(橋下主義)を許すな!」。快進撃を続ける橋下徹氏に対し、学者や評論家による批判がヒートアップしている。しかし10年来の付き合いがあるという大阪の落語家、桂ざこば師匠はあまたの「橋下批判」を一刀両断するとともに、来るべき「橋下首相」に熱烈エールを送る。
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橋下さんになって、大阪はどう変わったかって? よく聞かれる話や。
いちばん大きいのは、大阪の人間が、若いモンも年寄りも、皆政治に関心を持ったことや。今までの大阪の府知事や市長もそりゃ、「いい人です」と言われとったで。でもそれを言ってたのは役人や。自分たちの言うこと聞くからエエ人やと言う。
橋下さんは違う。言うこと聞かへん。それどころか、市長になっても、市営バスとか市営地下鉄とか、今まで誰も触らんかったことにまで手を突っ込んで、変えようとしてる。こんな行動力を持った男、今までお目にかかったことありまっか?
もし本人が、このあと、国政に出るちゅうならそれもエエ。国政を変えなきゃ何も変わらんというなら、変えたらエエ。「維新政治塾」の定員400名のところに、30000人以上の応募が殺到したっていうのやろ? これが期待の表われや。
そのうち、首相という声も出るやろな。大阪から首相、エエやないか!(大阪からは1945年10月~1946年5月の幣原喜重郎以来、首相が出ていない)
でも橋下さんは「首相」という器を超えてるようにも思うな。首相という立場で縛ってしまうより、維新の会代表として、暴れ回ってもらったほうが、日本のためになるかもしれん。
橋下さんの信念、貫き通せばいいんや。批判なんて気にせず、思い切ってやったらエエ。ホンマ、あんじょうしたってや。この大阪と、この日本を。
※SAPIO2012年5月5・16日号