どうでもいいけど面白展開が続いて目が話せない俳優・塩谷瞬の「二股騒動」。大人力コラムニスト・石原壮一郎が語る「大人に必要なことはすべてニュースから学べる」。今回のテーマは「『二股騒動』から強引に学ぶ3つの大人の教訓」だ。
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当事者以外にとってはどうでもいい話ですが、俳優・塩谷瞬の「二股」が大きな話題を呼んでいます。モデルの冨永愛と料理研究家でタレントの園山真希絵の両方に対して、ほぼ同時期に結婚の約束をしていたとのこと。日に日に騒動が拡大してもう逃げられないと覚悟を決めたのか、塩谷は5月1日、マスコミ各社にコメントをファックスで送ります。さらに同じ日にマスコミの前にも登場し、二度にわたって会見をしました。
もちろんホメられたことではありませんが、二股というのは、まあ世間一般にもよくある話です。する側になるかされる側になるかはさておき、自分が当事者にならないとも限りません。今回の件を他山の石にしつつ、いろんな教訓を学ばせてもらいましょう。
まず会見から学びたいのは、「細かく説明しようとすると墓穴を掘る」ということ。塩谷は、冨永と園山に二股がバレたのは何日で、ふたりに何日に謝って……などと、具体的に日付を示しながらコトの経緯を説明しました。しかし、さっそくいくつかの矛盾点を指摘されて、不誠実な男という印象をさらに強めています。
タレントじゃなくて一般人の二股でも、いきさつや思惑をすべて正直に話すわけにはいきません。微妙にいい子になろうとしたまま事情を説明しても、必ずどこかで話が破綻します。どうせ破綻するなら、「両方とも大好きで、両方と結婚できる気がしていました」ぐらい無茶なことを言ったほうが、みんな呆れて突っ込まなくなるでしょう。
された側としてはどうか。言うまでもなく両方ともお気の毒なのですが、「人として許されない」と怒りをあらわにした冨永より、ブログを通じて「いちいちしょぼくれてるなんて、一度しかない人生の一秒がもったいないです」と吹っ切れている様子を強調している園山のほうが、より大きく株を上げている印象があります。「二股の相手が(友達の)愛ちゃんでよかった」と言っていたという話もあるとかないとか。そりゃ本心はわかりませんけど、大人の粘り腰を発揮した見事な強がりっぷりです。
自分が二股をされたときは、素早く立ち直ったことをアピールした上で、もうひとりの被害者を心配する余裕を周囲に見せ付けましょう。騙した相手のことも、「今後は心を入れ替えて、いつか幸せを見つけてくれるといいんだけど」と心配してあげれば、器のでかさを印象づけつつ、一時期はまんまと騙されていた自分のウカツさをごまかせそうです。
そしてもうひとつ学びたいのが、しょせんは他人の色恋沙汰を熱く語ることのみっともなさ。当事者の心理を詮索したり、それぞれの落ち度を指摘したり、「けしからん!」と本気で腹を立てたり、いずれにせよ熱く語った時点で「あらら、この人ったら……」と思われてしまうでしょう。もちろん、騒動を題材にこういう記事を書くのも同じこと。二股に対する対応だけでなく、そういう意味での反面教師としてもお役にたてれば幸いです。