最近、ネットで“こじらせ女子”というキーワードが話題だ。AVライターの雨宮まみさん(35才)が、「女子」であることの生きづらさに戸惑いながらもそれに向き合い、赤裸々に綴った『女子をこじらせて』(ポット出版)を昨年末に出版したところ、「私もそうなの!」と名乗りを上げる女子が続出しているという。そこで当サイトでは雨宮さんを直撃。こじらせ女子って、いったいなんなの?
―― “こじらせ女子”とは、どんな女性のことをいうんですか?
雨宮さん:本を出した後「私もこじらせてます」っていう人の話を聞く機会も増えましたけど、たいてい見た目はどこにでもいる普通の女性なんですが、よくよく話を聞くと、“女性性”に自信が無いというんです。周りから見たら女性として特に問題はないのに、本人にはいろんなコンプレックスがあったりして、「自分は女です!」とストレートにいって生きていけない感じの女性が多いですね。
――自己評価を低くしてしまっているということ?
雨宮さん:自分に対する“ツッコミ力”がありすぎるんですよね。自分のことを客観的に見すぎて、ついツッコんでしまう。自分を厳しい目で評価しちゃうんですよね。自分の中の目指す理想が高かったりして、周りの人と比べたら普通なのに、比較対象をハイレベルなものにしてしまって、「私なんて…」と思ってしまう人も結構いますね。
――雨宮さんの場合はどんな“こじらせ女子”だったんでしょうか?
雨宮さん:高校生のときは、“女子力検定”不合格の生徒でしたね。個性的であることだけを追求していましたし、出身地の福岡の田舎では珍しいサブカル少女だったので、学校では恋愛にも興味がないと思われてイロモノ扱い。女として誰からも認められないってことにやけくそになっていました。その後の恋愛では、弱点を見せられる相手に会うと卑屈な態度をさらして受け入れてもらおうとしたり。そういうところが自分でも嫌でしたね。
――ほかに“こじらせ女子”の特徴はありますか?
雨宮さん:まず、いわなくてもいいのに自分の欠点を他人にぶちまける。嘘とか自分をいい風に見せようっていう演出が苦手で、昔でいうぶりっ子やベタな女らしい行動に対して、過剰にテレがある。ツッコミ力が高いから、見え見えの媚びが気持ち悪い!って思ってしまうんです。
あとは私もそうでしたが、やっぱり恋愛ベタが多いですね。恋愛って主観も必要だし、客観であえて自己演出をしなきゃいけないところもあるじゃないですか。でも、こじらせ女子は、甘えたりかわいらしさを演出することが苦手でできない。“こじらせ”はすごく微妙な症状で、モテないとか、全然恋愛したことがないというのとも違う。でも本人の中では全然できてないなっていう挫折感があるんです。
――こじらせるきっかけってどういったことがあるんですか?
雨宮さん:例えば恋愛でつまづいて自分はダメなんだって強烈に思ってしまう体験があったという人もいます。ほかにも、学校で周りから“イケてない判定”をされていると感じて、さらには自分でその評価を受け入れてポジションに合ったキャラを演じてしまったり…周りはかわいいと思ってるのに、私は面白キャラだから!みたいな感じで過剰なサービス精神を発揮しまったり…。
――“こじらせ”は男性にはない?
雨宮さん:こじらせている男子は結構いると思うんです。いろんなこじらせ方があって、例えば、もう童貞じゃないのに“童貞マインド”が抜けなくて世間への恨みが爆発していたり、そんなに問題のある人生を送っているわけではでないのに、ちょっと変なところでコンプレックスが引っかかっちゃったり。
ただ、女性の場合は、世間から女として見られるということと自己認識のギャップがどうしても生まれやすいですよね。女性は、ある年齢を境に突然女扱いされて、そのことをを受けいれていける人もいれば、うまく許容できなかったりする人もいる。いい人だと思っていた男性から急に襲われてびっくりする体験をする人も中にはいる。とにかく自分が女であることに戸惑う。それを受けいれることに時間がかかると、こじらせてしまうんじゃないかなって思います。
――芸能人でこじらせ女子だと思う人はいますか?
雨宮さん:眞鍋かをりさんは、若干こじらせてるんじゃないかな…。いわなくていい下ネタをいったり、自分にとってマイナスイメージになることを平気でやっちゃうのは、こじらせの症状ですよね。あと、森三中の黒沢かずこさんはこじらせてるニオイをプンプン感じますね。森三中は、見た目的に初めは3人とも不細工って感じで出てきて、その中では黒沢さんはいちばんかわいいっていわれてたのに、自分のことをかわいいとは思っていないみたいで、無茶な笑いをとろうとしたり、ちょっと卑屈なキャラに走ったりして自分のことを受け入れていない感じがある。他のふたりは結婚しちゃいましたけど、やっぱり2人はこじらせていないし、特に村上知子さんはこじらせ感ゼロですよね。どこかで自分を素直に受け入れている気持ちがありますよね。