芸能人が不祥事などを起こし、収録し終わったテレビ番組にモザイクをかけたり、編集をし直さなければならなくなったりした場合、必ず違約金の話が新聞や雑誌を賑わす。昨年、島田紳助が突如芸能界からの引退を発表した際もこの話題が上った。
だが、実際に違約金が支払われるケースは稀だという。芸能関係者がこう語る。
「紳助の件に関して、吉本興業は1円も払ってないと聞いています。ただ、紳助の代わりに出すタレントのギャラを安くするなどの対応はしていたようです。
番組としては、紳助のギャラは飛び抜けて高かったから、いなくなるだけでも相当経費は浮く。それでいて、視聴率もさほど変わらないわけだし、話題になることで番組に注目が集まって、数字が上がることさえあるわけですから、違約金なんて話はマスコミが騒いでいるだけで、実際には出てこないですよ」
吉本ほどの大きな事務所となれば、紳助の代わりはいくらでもいるし、多大な違約金を求めることで吉本の芸人が自局から離れていくデメリットを考えれば、たしかに請求することがないと言われても合点がいく。
「たとえば、新聞は『巨人が優勝したら経済効果100億円!』などと記事にしますが、実際に『経済効果はいくらでした』という事後報告なんて、ほとんど聞いたことないでしょう? それと同じで、あくまで報道上の試算で、違約金が支払われているケースはほとんどありません。特に大手事務所の場合は、同じ事務所のタレントがカバーして事足りるようにしています」(同前)
たしかに、当時の新聞記事を読むと、『今後、違約金や損害賠償といった問題が発生する可能性もある』といったように、断定はしていない。