スポーツ選手にとって道具は何より大切なもの。道具次第で成績が大きく変わることもある。ここでは北島康介着用の水着開発に携わった筑波大学人間総合科学研究科体育科学専攻教授の高木英樹氏(49)を紹介する。
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デサント社開発の『アクアフォース インフィニティー』の共同研究に関わったのは筑波大学の高木英樹教授。完成品を北島康介が着用すると表明し注目も集まった。
高速水着が話題になった北京五輪以降、国際水泳連盟は素材や形状を制限する新規定を打ち出し、水着の素材は織物や編物の布地に、着用の範囲も制限されている。
「新ルールをクリアし、後半の疲労もカバーする、バネのように引き戻る力を保つ方法はないかと考えました」
1年半近い実験の末、前身と後身で張力の異なる素材を用いた水着となり、完成。
「一世代前の水着と比較したときに1秒間で1.5センチ前に進むことに成功しました。関節分あるかないかのタッチの差ですが積み重ねられるのはスイマーにとっても大きなこと。前身を柔らかい素材にしたので装着もスムーズです」
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2012年5月18日号