『メルマガNEWSポストセブン』では、「経済の千里眼」の異名を持つ国際金融コンサルタント・菅下清廣氏の未来予測の短期集中連載を掲載している。4月27日配信の13号に掲載された最新記事の中から、その一部を紹介する。
* * *
相場読みのプロの世界では昔から「値ごろより日柄が重要」といわれます。
例えば、著名なアナリストやエコノミストのなかにはただ「1ドル=50円になる」とか、毎年のように「円ドル相場が円安に反転する」などと予測している人がいます。ですが、「1ドル=50円になるのはいつ頃なのか」、「××年に円ドル相場が円安に反転する」というように、日柄、時間軸を予測できなければ、投資家にはあまり意味がありません。永遠に言い続ければ、「いつか」当たることもあります(逆に、永遠にはずれ続けることもありますが)。
では、次なるトレンドの転換点はどこなのか。ひとつのヒントになるのが、スガシタ流未来予測で重要視している過去の相場の動きと、その背景となった要因です。
日経平均は、長期的には上昇トレンドに入っています。その出発点は2011年11月25日(金)の8135円でした。これは2011年の最安値であるだけでなく、リーマンショック直後につけた安値以来、約3年ぶりの安値でもありました。
週明けて11月28日の市場が明けてから反転が始まったわけですが、重要なのはその理由です。その週末に何があったのかというと、大阪府知事選、市長選の「ダブル選挙」です。
ご存じのとおり、橋下徹大阪市長が率いる大阪維新の会がダブルスコアで快勝した選挙でした。この結果は政治の話題として新聞にも大きく取り上げられましたが、経済・金融の分野ではこの話題は評価に値しないものとして、ほとんど扱われませんでした。この日を境に日経平均が下げ止まり、その後反転していったという事実を、大阪ダブル選挙と関連づけて報じたメディアやアナリスト、エコノミストは、私の知る限りいません。
地方首長の選挙など経済とはまったく関係ない分野だと切り捨てたのかもしれませんし、もっと他の要因で解釈しているのかもしれませんが、私は直観的に「大阪維新の会」の勝利が日経平均株価を下げ止めたと感じました。長引くデフレ不況のなかで、市場は橋下氏の市長当選に明るい兆しを感じたに違いありません。