連続不審死事件で男性3人の殺人罪などで死刑判決を受けた木嶋佳苗被告(37才)。“太っていてブスはモテない”というジョーシキをくつがえしたことでも、注目を集めた。一方で、“女性であること”にコンプレックスを抱えて恋愛がうまくできない“こじらせ女子”が世間には多数いる。著書『女子をこじらせて』(ポット出版)で、こじらせ半生を赤裸々に綴ったAVライターの雨宮まみさん(35才)に、木嶋被告のモテ力について聞いた。
――木嶋被告は、どうしてモテたと思いますか?
雨宮さん: かわいければモテるとか、美人だからモテるとほとんどの女性が思い込んでいますが、実際はそんなことはない。それを木嶋被告はよくわかっていたと思いますし、なおかつ、どんなアピールをすれば男心に訴えることができるのかよくわかっていた。「こんなことして媚びてると思われたらどうしよう」という、こじらせ女子にありがちな躊躇や自分に対するツッコミがない。モテるのは理解できますね。
――つまり木嶋被告は、こじらせてないからモテた?
雨宮:そうですね。こじらせてなければ、木嶋被告のように世間的に見て、容姿や条件があまり良くないように感じられてもモテている人は結構いますね。
それに彼女がモテた理由は、相手のニーズをしっかり捉えていたというのと、自分みたいな女性がどういう層にモテるのかというターゲットの選別がすごくうまかったといえますね。知能犯的な感じで、チェスをやるように“恋愛の盤”が見えていたんだと思います。この方法なら勝てるという、自分が優位に進められる法則をよく知っていたし、それに対する努力は惜しまなかったと思います。
――恋愛に対するテクニックにも長けていたと?
雨宮:そうですね。モテるために絞り込んだ自分の目標がはっきりしていて、そのためにどうすればいいのかをすごく考えて実行できていた。普通の女性は、なかなかそこまではできない。モテたいと思っていても仕事もしたいし自分の好きなこともしたいといういろんな欲があるので、なかなかモテの一方向に全力疾走できないのが現状ですよね。
木嶋被告のようにテクニックでモテようとするのは汚い、男を騙すみたいなことをして、それで付き合ってもうまくいくわけがないって多くの女性は思ってますけど、じゃあ恋愛の初めから「本当の私はこれです!」みたいなことをいって自分のことをわかってほしいとアピールしても、うまくいくわけではない。ある意味では、木嶋被告のようなしたたかさがなければ、恋愛ってうまくいかないのかもしれません。