次の総選挙で、「大阪維新の会」旋風が巻き起こるのは必至だ。関西選出の民主党代議士はこう嘆く。
「新聞の世論調査では、近畿圏は圧倒的に維新の会の支持率がトップ。週刊誌の選挙予測は、維新の会の公認候補者が決まっていないのに、民主、自民など既成政党が大阪でほぼ全滅するとされています。大袈裟ではありません。実際に党の調査でも、近畿ブロックでは若手から党幹部や大臣まで軒並み劣勢に立たされている。野田総理は消費税増税の法案が否決されれば解散に踏み切る姿勢だが、選挙になれば関西は選挙区も比例も壊滅状態になる」
維新旋風は関西だけにとどまらない。次の総選挙で「300人擁立して、200議席獲得する」と豪語する橋下徹大阪市長は、3月に開講した「維新政治塾」で受講生2000人以上を集め、その中から候補者を選ぶ方針だ。永田町で密かに注目を集めているのが受講生の出身地データである。
大阪741人、兵庫299人、京都107人……とやはり関西出身者が多い一方で、東京から360人、愛知が58人、福岡が50人といった具合に、全国的な広がりを見せているのだ。
「受講者の出身地は46都道府県に散らばっていて、ゼロは山形県だけ。山形選出の議員は胸を撫で下ろしているらしいが、それ以外は『どうせろくな人材がいない』と言いながらも、テレビで維新塾のニュースが流れる度に食い入るように見ている」(同前)
全国に候補を立てるという橋下氏の言葉が不気味な現実味を帯び始め、永田町はパニック寸前なのだ。
※SAPIO2012年5月9・16日号