プロ野球も開幕から1か月が過ぎ、調子のよいチーム、悪いチームの色分けが徐々に明らかになってきた。球場に足を運べば、成績に関わらず飛び交うのがファンからのヤジ。実際にヤジを受けてきた選手は、どのように感じていたのだろうか? 元巨人の橋本清氏はこう語る。
「背番号30を江川(卓)さんから引き継いだので、“お前も江川と同じで耳がでかいのう”なんていわれましたね(苦笑)。甲子園ではビールの売り子までがヤジを飛ばす。桑田さんに“オーイ、カネがなかったら貸したるわ”とポケットから小銭を出した小学生もいましたね(笑い)」
元横浜の駒田徳広氏は、かつてヤジに怒ってフェンス越しにファンと怒鳴り合いをしたことがある。
「チームの低迷に怒るのはわかりますが、ヤジをグラウンドで聞いていると、ストレス解消でしかないのかなという気持ちになる。選手もクスッと笑えるようなものはいいけど、やる気をなくさせるようなヤジはやめてほしいですね」
一方、ヤクルト、巨人、阪神でプレーした広澤克実氏はこう語る。
「相手からのヤジは何をいわれようと聞き流せても、自軍応援団から受けるものは堪えましたね。ただ、クソ~と思って奮起することもある。ヤジは日本の野球文化の一つだと思います」
※週刊ポスト2012年5月18日号