橋下徹氏への首相待望論があるものの、それに対し、先人は助言をする。橋下氏のことを高く評価する大前研一氏は橋下氏にこう提言する。
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橋下市長は、これまでに私が会った政治家の中では群を抜いて頭が良い。日本をこういう国にしたいという明確なビジョンがあり、それに基づいて分かりやすい話ができる。
しかも、私が何か提案したり議論をふっかけたりすると、必ず正面から受け止めて自分なりの考えをめぐらせ、「YES」か「NO」かの結論を出す。そして自分が間違っていたら、いつでも修正する。これは今まで日本にいなかったタイプの政治家であり、国民が求めていた“ビジョナリー・リーダー”だと言える。
それゆえ私は橋下市長を応援している。大阪特区が誕生した暁には、私の得意技を生かせる分野での協力を惜しまない。すなわち大阪に世界中からヒト・カネ・モノを持ってきて繁栄を呼び込むことを、全力で手伝う所存である。そのためには、
【1】「中央が言うことを聞かないなら、いつでも兵を江戸に送り込むぞ」という“風林火山”の旗は立てておくが、実際には江戸で無駄な時間は使わない。
【2】目的と関係ないパフォーマンスのような“余計な喧嘩”は厳に慎むこと。
以上2つが、橋下革命成功のためには肝心と考える。
※SAPIO2012年5月9・16日号