4月4日、新党結成を目指すとしていた石原慎太郎・東京都知事が大阪を訪問し、橋下徹・大阪市長と会談した。みんなの党の渡辺喜美氏も橋下氏との連携を公言しており、公明党も橋下氏にすり寄るなど、橋下氏への接触が随所で試みられているが、実は、民主・自民の有力政治家も水面下で懸命に“橋下パイプ”を模索している。
「民主党の前原誠司・政調会長は、橋下氏の側近である前横浜市長・中田宏氏と松下政経塾の先輩後輩にあたり、密かに連絡を取り合っています。橋下氏との連携を前面に出して9月の代表選で総理の座を目指すつもりでしょう。
また、橋下氏を府知事選に担いだ当時、自民の執行部で動いたのは菅義偉氏で安倍晋三氏の側近。安倍氏は総裁選に意欲満々だが、党内に留まっても返り咲けるチャンスがないと見れば、維新の会と呼応して思い切った行動に出るかもしれない。また、海江田万里・元経産相は、石原都知事に近い平沼赳夫氏の発足させた超党派議連に参加して“石原新党入りか”と周囲を驚かせた」(民主党関係者)
政治評論家の有馬晴海氏はこう解説する。
「維新の会は橋下氏以外、まだ素人の集まりです。維新塾の受講生は、ブームに乗って選挙には勝てるかもしれないが、新人だけで国政は動かせない。仮に次の衆院選で維新の会が一大勢力となっても、今のままでは使える人材がいない。橋下氏には即戦力が必要で、いずれ既成政党から人を集める必要が出てくる。それがわかっているから、長老から若手まで、すり寄ってくる現職の政治家たちを橋下氏は吟味しているわけです」
※SAPIO2012年5月9・16日号