『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)などでわかりやすい解説でお馴染みの流通ジャーナリスト金子哲雄氏。震災以降、下着が売れているという。さらに、「低価格高回転率派」と「高価格低回転率派」に二分化しているというその流れについて、解説する。同氏は女性セブン4月26日号の「補正下着カタログ」という特集を見て以下のように考えたという。
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震災以降、下着が売れているそうです。たとえば国内2位のトリンプは昨年度もしっかり増収しています。被災してイザというとき、恥ずかしくない下着をつけていたいという心理、わかりますよね。
今年は東京スカイツリーや渋谷ヒカリエなど新名所が誕生し、東京への観光客が増えています。補正下着も小旅行に欠かせないファッションアイテムとして、今年は需要アップが望めます。
そこで特集の掲載商品の価格帯に注目です。下は900円台、上は2万円台。大きな価格差があるのに一様に掲載されていました。
これは消費者が、低価格の下着を高い頻度で取り替える派と、高価格でも質のいい下着を長く愛用する派に二分化していることを示しています。いわゆるユニクロ派とワコール派が分かれているので、市場もあまりパイの食い合いになっていないようです。
スーツもそうですが、廉価版が売れると高級オーダーメードも売れるんですよ。普段は廉価版で大切な日はオーダーメードという使い分けをする人も増えています。ここにもメリハリ消費の一端が見てとれると思います。
※女性セブン2012年5月24日号