失業率がどんどん高くなっている現状でも、「会社を辞めたい」と愚痴をこぼす人はなかなか減らない…。東京都に住む女性・Yさん(48才)の夫(45才)は、公務員だというのに、事あるごとに「会社を辞めたい」とこぼすのだという。そんな夫に呆れるYさんが、不満をぶちまける。
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3か月に1度、季節が変わるたびに「会社辞める」騒ぎは、結婚してからずーっと続いている、わが家の恒例行事です。公務員ってふつう職場を「会社」とはいわないんだけど、夫はかたくなにそう呼んでいる。ま、これもポーズなんですよ。
といっても私がナマ返事していると「オレにはオレの考えがある」とかいって、意固地になるからやっかいなんですよ。
これまで“休職”2回してるし。いずれも病院に通って“病休”の形をとっています。それで部屋にこもって一日中、テレビを見たり、ブラブラ散歩したりしていられる、その神経が私にはわからない。
イヤらしいなと思うのは「会社辞める」騒ぎが軽いときは、わざわざ転職して苦労してる元同僚に会いに行っているんですよ。早期退職してラーメン店を始めた先輩のところなんか、しょっちゅう。
「ラーメンは不景気に強いとかいうけどなぁ。ランチなのに店、半分も埋まってなかったぞ。ヤッコさんも急にフケこんだみたいだし」
うっれしそうに、“脱サラ”失敗の話を発泡酒飲みながら、延々と。で、最後は「う~ん。転職も考えちゃうよな~」といって私の顔を覗き込むんです。
「パパ、お願い。バカなことはしないでね。パパだけが頼りなんだから」
これが妻の私の正しい対応と、わかっています。だから口が曲がりそうになりながら、茶番をしてみせます。
※女性セブン2012年5月31日号