最近大人気のアウトレット。だが、アウトレットと聞いて、まず長大な車列を思い浮かべ、思わず眉をひそめてしまう人もいるかもしれない。御殿場(東名)、入間(圏央道)、佐野(東北道)、木更津(東京湾アクアライン)など、アウトレットは駐車場のみならず最寄りの高速道路にまで渋滞を引き起こすことも少なくない。
どうしようもないのか。
答えは否である。開発業者が打ち明ける。
「アウトレットは必ず余剰の土地を抱えています。それをフルに駐車場に振り向ければ、確実に渋滞状況は今よりましになる。けれど、それらの土地は数年後のリニューアル時に増床に使われるためのもの。運営サイドにしてみれば駐車場を用意しすぎて空いて見えるのも避けたい。だから、ある程度の渋滞は織り込み済みということなんですよ。逆に入場前に待たされる時間は、場内への期待感を募らせる効果もある」
1993年にスタートした日本のアウトレットモールの市場規模は現在5930億円(2011年度、矢野経済研究所調査)。1か所あたりの平均年間売り上げは152億円となっている。日本百貨店協会加盟店の年間平均は242億円だから、アウトレットは既に百貨店の約63%を売り上げている計算。百貨店の売り上げは長期低落傾向だから、その差はどんどん縮まっていくと推定される。
日本一のアウトレットは御殿場プレミアム・アウトレット(PO)で売り上げ540億円(2010年度、以下同)。2位が神戸三田POで325億円、3位軽井沢・プリンスショッピングプラザと佐野POが324億円と続く。300億円以上を売り上げるアウトレットは他に三井アウトレットパーク入間がある。
※週刊ポスト2012年5月25日号