女はいつまで“オンナ”なのか――。更年期や閉経という言葉が現実的になる40代。生殖機能が役目を終えたら、女性性は失われてしまうのだろうか。女性のエイジングについて真正面から向き合った小説『エストロゲン』を女性セブンで連載中の甘糟りり子さん(48才)と、昨年水着の写真集が話題になった元TBSアナウンサー・小島慶子さん(39才)が“女性であること”について語り合った。
小島:私は大人に囲まれて育ったので、年齢を重ねることにあまり抵抗がなく、どちらかというとポジティブなイメージを持っています。でも、40代女性向けの雑誌をのぞいてみたら“頬のコケ”とか見たことのない美容ワードが並んでいる。更年期の記事もあって、ついに射程圏内にはいるのかと怖くなりました。機能的に女でなくなったら、私は何になるんだろう?って。
甘糟:私は40才になるときは単なる通過点ぐらいにしか思いませんでした。でも、先日48才になって、50代が視野にはいってくると、さすがに不安や焦りを感じます。これから老いていくんだなあと。
小島:48才ですか? 超オドロキです。おきれいで、とても希望が持てます!
甘糟:その年に見えないといわれることも時々あって、もちろん嬉しいのですが、最近はそれがいいことなのかなぁという疑問も持つようになりました。ちゃんと年をとっていない気がしちゃって。かといって、外見は若く見えたとしても、体力が落ちているのは実感しています。〆切があっても、前みたいに徹夜ができないですしね。近い将来に更年期障害がくると思うと気が重いです。やっぱり、生理が終わることは、女でいるかどうかの、ひとつのポイントになるんでしょうか。
小島:雑誌にもいろいろ書いてありますよね。女性ホルモンの減少によって膣壁が薄く、濡れにくく、肌は衰え、骨ももろくなるとか。“女性としての自尊心”を支えていた生理や身体的な特徴が失われていくとしたら、私の自意識はどうなるんだろう。男性は死ぬまで男なのに、女性には閉経がある。この間、男の人に聞いたんですよ。「生きてる間に自分の男性機能が衰えるんじゃなくて終わっちゃうって考えたことある?」って。
甘糟:『エストロゲン』を書くために、同世代の男女を取材しました。かなり正直に話してもらったんですが、男の人もけっこう悩むんですね。勃起不全と頭髪の2点が圧倒的みたいですが。
小島:なるほど。その点は同じなんですね。だけど、更年期という大変な時期を迎える年代なのにもかかわらず、40代はいい、いいっていう女性が多いんですよ。先日、いわゆる女子会に初めて行ったんです。みなさんほぼ40代のかたなんですが、すごいアグレッシブ。年下の男の子の話題でめちゃくちゃ盛り上がってました。
甘糟:若い男の子がいいっていう中年女性、多いですよね。
小島:たまたまその人たちがそうだったのかもしれませんが、40過ぎたら若い男にモテちゃったみたいな感じで。バブル期に青春を謳歌したかたたちってパワフルだから、40代が最後のチャンスと思うのか、もうひと花咲かせるんだと思いました。
甘糟:でも、その人たちが50代になっても、やっぱりもうひと花!っていいそう。
※女性セブン2012年5月31日号