セブンズクラブのアンケートでは、7%の人が「食べても太らない」と回答。多くの人が「食べても太らない」人をうらやましく思っているというが、食べながらダイエットをすることは可能なのだろうか。専門家に話を聞いた。
まず、これまでに5000人をやせさせた実績を持つ日本ダイエット協会 会長・戸田晴実さんは、糖質・脂質を減らす『血糖コントロールダイエット』を次のようにすすめる。
「太り方を大きく左右するのは、炭水化物の摂り方です。ごはんやお菓子の摂りすぎで、血糖値が高い状態が長時間続く生活が習慣になると、糖分が脂肪に変わり続けて、太り体質となってしまいます。
体には、血糖値が低くなると脂肪を燃焼させエネルギーを確保する働きがあります。健康な人は、食後3時間くらいから血糖値が下がりはじめ脂肪が燃焼しやすい状態になります。血糖値を上げすぎない食生活を心掛けて運動をする『血糖コントロールダイエット』を行うと、積極的に脂肪を燃焼することができます。
ただし空腹が長すぎると、体はやっとはいってきたエネルギーを蓄積しようと血糖値が急上昇し、脂肪を蓄えやすくなります。朝食を抜くかたも多いと思いますが、食事は3~4食に分け、毎日同じ時間に食べる習慣を身につけるのが理想です」
一方、『飢餓状態』を作る行動修正ダイエットを提唱するのは日本体育大学大学院教授で医学博士の大野誠さん。著書に『自宅入院ダイエット』(集英社)などがある大野さんは次のように話す。
「朝と昼は好きなだけ食べ、夕食だけ500kcalの糖尿病食を週5日間続ける実験では、3か月で平均4~5kgやせ、メタボが解消したという研究結果が報告されています。夕食を減らすと、睡眠中も含めて、体脂肪が燃焼する『飢餓状態』を長時間作りやすいため、効率よくやせることができるのです。
フルマラソンを2時間半で走っても体脂肪は約300g程度しか燃えません。家庭用体脂肪計で推計される体脂肪率(%)は、体水分量や体温の変化でも上下するので、一喜一憂せず、毎日同じ時間帯に同じ条件で測った1週間の平均から、体脂肪量(kg)を算出しましょう。1日10分×3回のウオーキング(速歩)でも継続すれば、体脂肪は着実に減らせます。
ダイエットのコツは、食事療法に適度な運動療法を併用すること。リバウンドを防ぐためには、飢餓状態を作るといった日ごろの生活習慣の行動変容がポイントです」
※女性セブン2012年5月31日号