日本のプロレス界に大いなる足跡を遺した巨人・ジャイアント馬場。1999年に亡くなったが依然としてその人気は衰えることはない。ここでは、DVD付きマガジン『ジャイアント馬場 甦る16文キック』第1巻(小学館)より、ジャイアント馬場のチョップが誕生するまでのエピソードを紹介しよう。
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ジャイアント馬場というと誰もが思い浮かべるのが16 文キック、そしてあの大きな手から繰り出されるチョップだろう。デビューした直後から師匠の力道山に「お前もいずれ海外修行に出す。海外に出たら、その大きな手でチョップを武器にするんだ!」と命じられ、右手を徹底的に鍛えられた。
その鍛え方は、馬場の右手をテーブルにのせ、木槌でガンガン叩くというすさまじいやり方。手が腫れ上がり、皮膚が破れて血や体液が出ても力道山はやめなかったという。これを続けているうちに破れた皮膚が固まって、やがてはタコのようになり、堅くて頑丈な手が出来上がったそうだ。木槌がないときには灰皿でやられたというから、つくづく力道山は怖い人だ。
当初、馬場が得意にしていたのはオープンハンドの状態で相手の胸のあたりをヒットするジャイアント・チョップと水平チョップのふたつ。ジャイアント・チョップは接近戦で連発するのに有効、水平チョップは特にロープの反動を利したカウンター式に躍動感があった。水平→16文が一時期の殺人フルコースだった。
取材・文■小佐野景浩 撮影■木村盛綱
※DVD付きマガジン『ジャイアント馬場 甦る16文キック』第1巻(小学館)より