芸能

小林すすむ 治療費カンパを山田邦子が届ける予定の日に逝く

 5月16日、スキルス性胃がんと肝硬変のために亡くなった、お笑いトリオ「ヒップアップ」のメンバーで俳優の小林すすむさん(享年58)。体調が良くない状態で『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』の撮影に臨み、2月中旬にクランクアップすると「余命2~3週間」と告知された。

「周囲に迷惑をかけたくない」といって病気のことを誰にも知らせなかったという小林さんだが、死期がいよいよ近いことを悟ったのだろうか。5月初旬、入院先の病院から小林さんは、『オレたちひょうきん族』で共演していた山田邦子(51才)に電話をかけてきた。

「“邦ちゃん、はあ…はあ…、おれ、頑張って生きてるよ…”って。ほとんど断末魔…。息も絶え絶えでした。これは大変だと思ってお見舞いに行ったんです。丸かった頬がげっそりこけて、顔色は真っ黒。

 腹に水がたまっているそうで、お腹だけがぽっこりふくらんでいて…。そんな状態でも、すーちゃん(小林さん)は“誰にもいわないで。お見舞いに来てくれたりしたら、みんなのスケジュールが変わっちゃうから。迷惑がかかる”っていうのよ。ぜいぜいしてるのにみんなのこと心配していて…。だから、“私にまかして”っていって、みんなに連絡をとったんです」(山田)

 なかでも、若いころに苦しい時代を共に乗り越え、共に笑って過ごしてきたひょうきん族の面々との深い絆は、30年たっても当時のままだった。

「最後の10日くらいは、もうお祭りのようで、すーちゃんも“毎日が楽しかった”っていってたそうです。意識は朦朧としているんだけど、私たちのことはみんなわかるみたいで。ラサール石井さんが行ったら、じっと顔を見るだけで笑うこともできなかったけど、“結婚おめでとう”って…」(前出・山田)

 山田は治療費が高額だと聞き、ひょうきん族メンバーに声をかけてカンパを集めた。だが、その1回目のカンパを届けようとしたまさにその日の夜、小林さんは昭子さんに見守られながら、穏やかに眠るように息を引き取った。涙で声をつまらせながら、山田が続けた。

「私はあとちょっとのところで間に合わなかったんです。その後、ラサールさんが来て、明石家さんまさんが来て…。さんまさんは、深夜の1時ごろにひとりで駆けつけて、すーちゃんに何か語りかけていました。それで、みんなで“家に帰してあげよう”って、自宅に送ったんです」

※女性セブン2012年6月7日号

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