新シーズンが始まってから1か月半。新入社員との世代間ギャップに悩んでいる上司たちも多いことだろう。
「メールで休みを告げてくる」
「プライドばかり高くて、下働きを嫌がる」
「すぐに逆ギレをする」
これらは、まさしく“ゆとり世代”の特徴といわれている。今年4月に入社した大卒新人(平成元年度生まれ)は中高6年間、いわゆる“ゆとり教育”を受けてきた、本格的な“ゆとり世代”なのだ。
上司世代では考えられない行動を平気で取るのだから、戸惑うのも仕方ないのかもしれない。そこで、『昭和脳上司がゆとり世代部下を働かせる方法77』(光文社)の著者で、『居酒屋 つばき』を経営する大堀ユリエさん(24)に対策法を聞いた。大堀さんは美人すぎる居酒屋経営者として知られ、“ゆとり教育”にドップリ浸かったコたちを、日々指導している。
「私自身も“ゆとり第一世代”と呼ばれます。実際、上司世代の皆さんには、24歳も20歳も同じ世代と大きく括られることが多いですね。でも、この年代における4歳違いはすごくギャップを感じるものです。みなさんも、ご自分が若い頃を思い出していただければわかると思います。
ですから、私が自分のお店で“ゆとり世代”に感じていることと、上司世代の方の悩みは一致すると思うんですね。私も『おまえだってゆとりじゃないか。俺たちの悩みがわかるわけない』と思われがちです。でも、このことに限らず、そうした“先入観”が大きな障害を作っていると思います」
巷では、ゆとり世代に対して『打たれ弱いから怒るな』と指令が出ている会社もあるというが、大堀さんはその考えを否定する。
「間違ったことをしたときに怒らなかったら、ますます状況が悪化するだけですね。プライドが高い世代ですし、『これで許されるんだ』と思わせたら、どんどんつけ上がってきます。単に、今まで怒られ慣れていないだけですから、間違ったことはちゃんと指摘したほうが良いと思います。
一口に『怒る』といっても、いろんな怒り方がありますよね。頭ごなしに叱るだけでは、ダメです。いちばん“昭和脳”だなと感じるのは、保身から来る叱り方です。『自分の立場を守るために叱ったんだな』と思わせたら、ゆとり世代は間違いなくシラけますよ。
逆に『愛情を持って接してくれている』と思わせたら、勝ちです。ゆとり世代のコは、核家族化やいわゆる熱血教師が減った影響もあってか、上司世代と比べると、愛情を受けずに育っている傾向があると思うんですね。だから、『私のためにしてくれたんだ』と思わせることは、今までの世代以上に効果があるはずです。
また、一回怒ったあとは、サッパリ忘れて、そんな雰囲気は出さずに、いつも通りに接することですね。『怒るときは怒るけど、いつもはフランクに接する』というアメとムチを使い分けることが大事だと思います」
撮影■中村宗徳