西川文二氏は、1957年生まれ。主宰するCan! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導している。その西川氏が、「マーキングの悩み」について解説する。
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「犬はよそ様の家の門柱などにオシッコをかけたがりますが、やめさせる方法はあるのですか?」
お答えしましょう! コレ、未去勢の雄がやりたがる。なんといいますか、ここらあたりはオイラにいろいろと権利があって、メスがいれば一応所有権を主張するし、獲物もこれまたオイラのものだかんね、って張り紙をしてまわっているようなもの。
もちろん実際は張り紙ではなく、オシッコをかけることでそれを行なう。マーキングっていって、片足をあげて、高い位置にオシッコの匂いをつけようとするのが特徴。高いところに匂いがつけられれば、オイラでかいでしょ、強いかもよ、ってことが伝えられる。
おっと、問題はどうするかでしたね、そのマーキングを門柱でさせないようにするには。 そうですな、まずは去勢をすること。去勢後はマーキングが確実に減る、っていうデータがある。次に、他人の家の門柱などからは離れて歩く。さらに、とにかくマーキングさせたくない場所では、匂いかぎにつきあわない。
マーキングは他の犬の張り紙を見つけては、その上に自分の張り紙を張りつけていくようなもの。他の犬の張り紙は、匂いを手がかりに見つける。だから、匂いかぎにつきあわなければ、マーキングにはいたらない。匂いをかぎたがって引っ張っても、つきあわずに行ってしまう、ってことですよ。
ただ、犬は匂いかぎが全くできないと、それはそれでストレスになる。排泄をさせて良いところを選んで、そこで匂いかぎは存分にさせる。一方でコレも行なう。以上が今回のお答え。さて、ご納得のほどは?
※週刊ポスト2012年6月1日号